長距離走者の孤独

 眠れない、または眠りが浅い日がここ数年間、ずっと続いている。

  ところで、良いと思わない。ほとんどすべてのことに。みんなが好きなことや、共通の価値観、幻想。例えば親子連れ、夫婦や家族も。そして人間の価値観。そういったものの中で、全然好ましくなく、良いと思えないものに触れると、思わず目を背け、下を向いてしまう。言葉もなく、ただ通り過ぎるのをじっと待ったいるだけだ。最近では人と目を合わせることも少なくなった。

  こんな人間が、いままでどうやって生きてきたんだろう?それともみんな私みたいに毎日こんなことを感じてながら、不愉快な思いで暮らしているのだろうか。 なんとなくガス抜きしながら、やりくりしていた、と思う。何かに打ち込んだり、またそんなふりをしたり。または酒。これが一番手っ取り早い方法だ。束の間の幸福。いまはそれと走ること。走ることでバランスをとっている。もう3年ぐらいになるだろうか、ほとんど毎日のように朝、または夜と、走っている。誰とも話さず、何も考えず、終われば爽快感が待っている。夜は酒を飲む。わがままで贅沢とも言える。

ずっと前から、こんな時間の潰し方をしていたことに、今思い出した。やっていることはその時々で違うし、それが一貫性のないこととは承知の上だけれど、そうして、世の中の不愉快さから逃げてきた。たった1人で。最高の孤独。

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明日も明後日もただ走る。それだけ。